これ、何だかわかりますか?これは、扇子がブカブカに広がらないように押さえこむ万力です。
大正7年に新規に調達との記録がありました。西暦になおすと1918年なので、こちらも100年を超えて残っている職人が道具です。どのように使用するかというと、幾重にも重なって設置されている横面の板を縦の棒に沿って上に一旦外します。で、扇面(紙)と扇骨(せんこつ・竹製部分)とをのり付けが完了した状態で、薄い横面の板の間に並べて紙と骨がしっかりと貼り付くよう、扇子がブカブカに広がらないよう重石を乗せて圧着します。もう仕掛かりの扇子がないので実際に挟むことはできないのですが、重石を乗せると、こんな感じです。
ここで、例の重石の出番がやってきます。横の棒が微妙に干渉してきて上手く乗せるのにも一苦労です。こちら、この石と木の部分をセットで購入したそうです。どうすれば効率良く一度に多くの扇子を加工できるか、上手く考えてありますね。ちなみに石の底面は見事に平らにカットされていました。
主に舞扇など、骨の本数が少なくて比較的大きめの扇子を加工する際に、この万力を使っていたのを記憶しています。
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