橋本治さんの著書『貧乏は正しい』シリーズの1冊目を20年ぶりくらいに読み返した。氏が若かりし頃、テレビ番組に出演していらっしゃった場面を思い出す。数々のエッセイもそうだが、この『貧乏は正しい』もご多分にもれず、軽妙な語り口調がそのまま文字となって躍動していて何とも頼もしいかぎり。この文章が世に出たのが1991年、今から32年前。折りしも『貧乏は正しい』のなかで、ソ連崩壊に話が及んでいるところなんかは何とも興味深い。そうそう、大前研一さんの著書『世界の潮流 2022-23』とあわせて読むと面白いです。
私自身、『貧乏は正しい』のなかで一番のお気に入りは「サブカルチャー』について触れていらっしゃるところ、その論考たるや圧巻。「使用済みの下着」からはじまり、超真面目な「リサイクル」の話まで。そりゃもう頭の中がグリングリンに、超絶怒涛の手品を見せられているようでたまらんです。あくまでニュートラルながらも、どこかしらサブカルチャーの強い味方感を感じるのは私だけでしょうか。
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