明治時代の招き猫と小物入れ

明治年13生まれの曽祖母は、職人仕事の傍らで駄菓子屋を営んでいたと伝え聞く。生活は苦しく職人仕事だけでは食べていけないからと、しっかり者の曽祖母が苦肉の策で始めたらしい。が、気前の良い曽祖母は、何やかんやとオマケをあげては子供たちを喜ばせていたそうで、さほど生活の足しにはならなかったらしい。そんな曽祖母が売り上げや帳簿を入れるのに使っていた小物入れが、今でも実家の片隅に置いてある。100年を超えて今でもひっそり実家の片隅に置いてある。

そうそう同じ頃、駄菓子屋が繁盛すうるようにと招き猫も一緒に置いていたそう。こちらも実家の玄関で、今も左手をあげて座っている。

「招く手が右手は金運、左手はお客さんを招くから、うちはお客さんに来てもらいたかったからね」と、晩年の曽祖母が言っていたそう。近所の子供たちがワイワイ、ガヤガヤ、キャッキャはしゃぎながら、曽祖母が営む駄菓子屋で楽しい時間を過ごしたんだろう。

仮想現実も魅力的だけれど、物理現実から時空を超えて、うつろい感じ、うつつをぬかすのも至福の時間であり、魅力を感じる。

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