チンチャン打ちの掛時計

以前、和歌山に出向いた折に「使ってくださる方がいらっしゃれば…」と

友人よりAICHI TOKEIと書かれた掛時計をあずかった。

昭和の半ばころ、掛時計の鳴る音を聞いて育ったそうで、長くしまっておいたが出番もなさそうとのこと。

末長くお使いいただける方を…とあたってみると「ぜひ、使いたい」と言ってくださる方がいらっしゃった。

古民家の再生を手がけていらっしゃるそうで、実用品として使ってくださるとのこと。

加えて「おなじ使うのであれば、オーバーホールもお願いできないものか…」とも。

昔からお世話になっている、C.M.W(Certified.Master.Watchmaker)をお持ちの職人さまに相談。

定期的に注油をしていてもゼンマイ部分の劣化は避けられないらしく、

注油を施しながら歯車の支柱を受ける部分や歯車自体を削って仕込み直して調整が必要とのこと。

修理に出して3週間、様子を覗きにいくと店先に時計が掛かっているではないか。

どうやら修理を終えて試運転をしてくだっていたようだ。

「良いとがしますわ。2回打ちのチンチャン時計ですね。聞いてみる?」と

時計の針を動かして下さった。「チンチャーン、チンチャーン」心地より音。

デジタル音に慣れているせいか、新鮮で心地良い音がこころに沁みいるよう。

「チンチャーン、チンチャーン」古民家に心地よい音が響くのが待ち遠しい。

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