Wikipediaによると、ルポルタージュとは「1.取材記者・ジャーナリストなどが現地に赴いて目撃した事実や取材した内容を放送・新聞・雑誌などメディアに報告すること。2.事件や社会問題などを綿密に取材して事実を客観的に叙述する文学の一ジャンル。」(Wikipediaより引用)とある。1993年8月10日出版のこちら、佐野眞一氏の『日本のゴミ<豊かさの中でモノたちは>』は、渾身のルポルタージュ作品だと思う。様々な種類のゴミについて膨大な取材と資料の収集から、その光と影がつぶさに記されてある。

圧巻なのは巻末に記された取材協力者の数、なんと282名。1992年に日本初の商用インターネットプロバイダーIIJが設立され、郵政省(現在の総務省)が許可を出し、インターネット接続の商用サービスが開始されたのが1993年。「インターネットで調べる」ということができない時代に、よくもまあ莫大な時間を擁し、多くの方から情報を集められたものだ。それだけに取材内容と著者の考えがテンポ良く記されていて、ゴミ問題について過去からの流れを紐解く意味でも、今読んでも十分参考になる良書だ。
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